ドクター吉木の『知るログ』

雑誌やネットからは得られにくい、美と健康に関する正しい情報をお届けします。 あふれる情報に流されず、本当の美しさを目指してください。

2.世界中で注目される砂糖問題を知ろう

f:id:NobukoYoshiki:20191018133454p:plain

 

砂糖税が広まっている

砂糖税sugar taxという税金があるのをご存じでしょうか。

砂糖の弊害から国民の健康を守る目的で、アメリカ、イギリスをはじめ世界22カ国で導入されています(201910月現在)。

砂糖を多く含む飲み物(主に炭酸飲料などの清涼飲料水)に税金をかけることで、値段を上げ、消費を減らそうとするものです。タバコに税金をかけることで値段を高くし、喫煙者を減らそうとするのと同じ考え方です。

 

f:id:NobukoYoshiki:20191018133517p:plain

日本は肥満大国でも糖尿病大国でもないので、今のところ砂糖税の導入予定はありません。それでも、砂糖を意識することは必要でしょう。

  

砂糖の害で、多くの人が亡くなっている 

地球上では、信じられないほどのペースで肥満が増えています(1975年の約3倍)。

WHO世界保健機構の発表によると、2016年の時点で世界の18歳以上の人口の39%が過体重(BMI25以上。身長160センチの場合、体重64㎏以上)といわれ、世界のほとんどの国で、飢餓よりも肥満による病気で亡くなる人の方が多くなっています¹⁾

肥満はもちろん心筋梗塞などの原因として知られますが、それ以外にも、いくつかのがん(子宮体がん、乳がん卵巣がん、大腸がん、前立腺がん、肝臓がん、膀胱がん、腎がん)のリスクにもなります¹⁾

.

世界的に肥満と糖尿病が増えている原因は、脂肪と砂糖の摂りすぎ、プラス運動不足だとみられています¹⁾

 

f:id:NobukoYoshiki:20191018133547p:plain

 

中でもadded sugar(添加糖=お菓子やジュースなどに加えられている砂糖)は、有害無益であり、特に問題視されています。そのため砂糖税などでブレーキをかけようとする国が出てきているのです。

フルーツや野菜の自然の甘さでなく、スイーツやジュースなどに入っている砂糖や人工甘味料が添加糖と呼ばれ、近年、その摂りすぎの害に関する報告が急増しています²⁾

 

added sugar(添加糖)を一日48g以下に 

WHO世界保健機関は、added sugar(添加糖)の摂取量を、一日の摂取カロリーの5~10%に抑えるべきだとしています。一日2000kcal摂取する成人女性であれば、一日に摂ってよい添加糖は、24g~48という計算になります。

アメリカ心臓協会American Heart Association AHA)では、厳しい数値の24g以下を目標値としています³⁾

現在あなたが肥満でなく家系的に糖尿病もなければ、48g以下を目標にすればよいでしょう。

 

f:id:NobukoYoshiki:20191018133615p:plain

 

しかし48gは、容易な数字ではありません。

 

コンビニなどで売られている炭酸飲料やパックのカフェオレなどは一本あたり40gほどの添加糖を含みます。

ケチャップは大さじ1あたり4g、加糖のヨーグルトは100g(約1パック)あたり10gほどの添加糖を含みます。

 

甘いものをどうしても食べたい場合は、added sugar(添加糖)を避けて、なるべく、フルーツや、お芋、カボチャ、豆類などの自然の甘味をとりましょう¹⁾。特にサツマイモは栄養価が高く、糖尿病を改善する可能性があるとも言われています⁴⁾。

ただしそれらも、いくらでも食べてよいわけではありません。ほどほどを心がけましょう。

 

あなたがスリムで健康だったとしても、添加糖は、将来の健康を害する可能性があります。

添加糖は、ほぼすべての人にとって有害無益です⁵⁾。

摂らないにこしたことはありません。

スイーツ(お菓子や、砂糖の入った飲み物)をどうしても摂りたい場合は、週一回程度にとどめましょう。

 

特に子供の砂糖の摂りすぎに要注意。

今太っていなくても、将来の肥満や糖尿病、心疾患のリスクになります。

 

 

¹⁾https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/obesity-and-overweight

²⁾https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23322142

³⁾https://www.heart.org/en/healthy-living/healthy-eating/eat-smart/sugar/added-sugars

⁴⁾https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22336861

⁵⁾http://www.actiononsugar.org/sugar-and-health/